2012年5月12日 今期3回目の例会 宮本浩二氏来る!

この日は、谷野さんが待ちに待った宮本浩二氏が午後から来られる日でした。しかし、谷野さんは宮本氏が継続的に来て頂けるかどうか自信がなく、あまり大々的には知らせず、ごく狭い範囲にだけ、宮本氏来訪を予告していたのでした。それでも、西は岩国から熊谷、大竹から矢野、北は庄原から上原、東は岡山から北野、西条から金野、さらに塩見・・・と続々かけつけ、この日は本年最高の21人の参加となりました。子供教室の3名ふくめれば24名となったのです。宮本氏の来場を以前から熱望していた熊谷氏は夜勤明けでの参加、上原氏は庄原からはるばる3時間かけて、・・・とそれぞれが抱えた事情をおして参加したのです。
貫島君(二冠)が元気良く「おはようございます」と挨拶しながら、谷野道場の玄関のガラス戸を開けたとき、事件は起こりました。戸の表面がササクレ立っていたようで、トゲが貫島君の指に刺さったのです。鬼のような鋭い手を繰り出す指ですが、細い5ミリほどの長さのトゲは、その柔らかい透き通った皮膚に情け容赦なく突き刺さったのです。谷野、坂本、迫田、そこに谷野さんの奥さんもかけつけました。毛抜きや消毒した針などが揃ったものの一向に作業がはかどりません。当の貫島君は、「これは放っておいて自然に取れることがある」と最も沈着冷静でした。それでも取っておくに越したことはないと、ほじくるのですが、大人は、貫島君が痛がるのではともう一つ思い切った動きができないでいました。結局貫島君、自分で針を握り、トゲを掻き出すことに成功。
その貫島君ですが、写真手前、王将戦の迫田さんとの3枚落ちは敗れました。R点差によって自動的に決まる手合いではありますが、3枚落ちはさすがに厳しいと。
貫島君のトゲ騒ぎが収まると清田君が登場。その後を追いかけるように息を切らせた藤里さんがやってきました。「ついて行こうと思ったんじゃが、子供は速いのぉ」と言いながら。
その藤里さん、王将戦で小林君に挑戦しました。小林君、香を落としての対局でしたが、勝利。小林君、王将戦は3連勝です。小林君はこの日、名人戦では4級に昇級した矢野君を破るなど大活躍でした。
写真、手前は、名人戦A級同士、住田(左)・黒原戦がこれから開始されるところ。住田君が時計をセットしています。今期から降級1名となった中、住田君が貴重な勝ち星をゲット。
奥は、貫島(左)・上原戦たけなわ。上原さんは、就職して、生活の場も庄原に移りました。この日は庄原からバスに3時間揺られての登場というのは冒頭で紹介したとおりですが、「大変ですね」に「バスの中で2時間は寝ましたから大丈夫です」と応答。好きなことのためには距離等関係ない?まるで長距離恋愛?その愛の強さこそ、将棋の強さの源。
11時半が迫ると、弁当が気になります。中央で弁当のメニューを見ながら話しているのは次の写真で紹介する新入会員の二人。
この日の弁当は、人数がいつもより多かったということもあったでしょう、12時半過ぎ、弁当屋さんが弁当を届けて来たとき、お金が足りませんでした。この日の「弁当係」にとっては少々高いロースカツ弁当になってしまいました。金銀2枚を捨てて、桂馬を1枚入手したような感じがしたようですが、お金の授受管理は丁寧にきっちりやろうという教訓の授業料でした。
経大から新入会員が二人参加しました。左から勝部智也君と上田健太郎君、別室で迫田幹事が会費等について説明しています。この後、早速対局を始めました。槙林君と「勝ったり負けたり」ということなので、王将戦は槙林君と同じ仮点数1000点からスタートしました。
経大生の人数が増えてきました。修道と対抗戦ができるのではないかという話になりました。「東大も呼んだらどうか」どこからともなく出た声に、「どこのトウダイ?」と質問が入る。「島大もトウダイと読めるが・・・」の声、「いや、日御碕燈台でしょ」の声も。恐ろしくローカルな話になって、話のオチが苦しくなり、一同少々嫌気が。それでもなお「馬鹿にしちゃいけんよ、日御碕燈台は東洋一の高さだからね」と、郷土愛を発揮し、なおも食い下がる方もありました。
午後1時半ごろ、宮本さんが道場に現れると、会場は万雷の拍手が沸き起こり、同氏はビ    っクリ。「宮本さんって今“引退状態”? 本当に来てくれるの?」「来て欲しい」など、いろんな思いのこもった拍手でした。さっそく会場からは質問の嵐が起こり、丁寧に答えてもらって、アマ名人位・全国支部名人位・アマ王将位を含み全国優勝4回。中國アマ名人11期連続獲得。女流プロ清水市代に公開対局で勝利・・・。最大のライバルは名古屋の天野高志氏だそうで、15局くらい戦って少し負け越しかと。アマプロ戦で勝った話等、輝かしい戦績が確認できました。
そこで谷野さんは山口さんの方を見やりながら思ったそうです。『やっぱり山口さんの広島準竜王1回(冥途のみやげ)とは全然違う。これは居合わせた全員が認識しただろう』宮本さんと比較の対象になるなんて、山口さんもタダ者ではありませんね。
写真は、今絶好調の貫島君と指す宮本さん。
さらに、宮本さんは、4級昇級したばかりの矢野君とも指しました。「ネット将棋を除けば、平手で指すのは6年ぶり」との事でしたが、貫禄を見せつけました。若き挑戦者たちは、当然のことながら宮本氏に一局も勝てませんでしたが、感想戦もすこぶる丁寧で、その内容も流石のものでした。この日は宮本氏のお蔭で全体が盛り上がり、熱気に満ち、いつもと違った感じだけれど、心地良い緊張感が溢れていました。「ここは強いですね 楽しみな若手が多いいですね。」とは、宮本さんの感想です。
宮本さん帰宅の後、感謝の声が次々に飛び出し、若手も強豪も異口同音に、「続けて来て欲しい」の大合唱となりました。
話は前後しますが、午後三時半頃、石井紀彦、貫島永州。矢野正樹君3名の昇段。昇級の祝賀会が開催されました。
広島将棋センターにおいて4月29日に行われた日将連広島将同好会支部月例大会において最近の著明な活躍と技量向上が認められ石井、貫島共にアマ四段に認定されたもの。文字通り広島将棋界の将来を担う存在となりました。又矢野将樹君は、七連勝で奨励会四級に昇級しました。最近は特に勝率の向上が顕著で昇級は時間の問題となっていたものです。
感想を求められた3名は
貫島「まだまだこれからで特にないです。」
矢野「奨励会で7連勝ぐらいはしたんですが・・・」(ボソボソとあとは聞こえず)
石井「これからも頑張ります・・・」(よく聞こえず)
三名ともコメントは控えめでしたが「将棋は口ではない」の意気込みがはっきり伝わり、会場に居合わせたみんなは盛大な拍手を贈りました。三名の益々の活躍が大いに期待されます。  
5時を過ぎても、いったん燃え上がった熱気は消えず、熱戦が続けられました。延々と続いたのです。 写真は、5時どころか、もう夜の10時をとっくに回っています。それでも激しい戦いが繰り広げられています。貫島君の背筋がピンと伸びているのがまず目につきますが、他の選手を含めて、正座で指しており、「疲れた」という雰囲気すら感じられません。ものすごい情熱です。

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