3月25日、鳥取県米子、 新日本海新聞社西部本社ビルで行われた第21回高木杯海の幸争奪将棋大会、高須クラブから6人の猛者たちが乗り込んだ。



早朝6時半、“山口号”は山口運転で谷野を乗せて高須道場を出発。かつて54号線だった国道183号線を通り、途中で塩見、坂本を拾った。広島ICから山陽道に乗り、中国道を経由して、庄原で高速を降り、再び国道183号を一路米子を目指した。(国道183号は起点が広島市役所前で、三次から庄原を経て、終点が米子公会堂前)
備後西城あたりで雪がちらついてきたときは、「同じ広島県でも北の方は違うなぁ」とまだ余裕があった。鳥取県との県境の峠にさしかかると、本格的な冬景色となった。「これは正月に見た景色と同じだ」と塩見。突然、車が左右に異様に腰を振った。まるでスリップ注意の道路標識に描かれた車の絵のようにタイヤが左右入れ替わったかのような気がして、一同、ハッと肝を冷やした。しかし、ただ一人「いや、スタッドレスはいてるから大丈夫、9時半ころには会場に着くよ」と豪語する強気なお方が約1名。それとは対照的に、その言葉に肯定も反論もせず黙って寒々とした吹雪をうつろな目で見つめる2人。もう一人のお方は助手席でぐっすりお休みで、“緊急事態”も「知らぬが仏」だった。
峠の雪道をイニシャルDばりに乗り切って、9時15分頃、“山口号”は江府ICから米子道に乗った。9時20分頃、会場で待つ柿本から心配の電話。「柿本さん、受付を済ませておいてください」と依頼。「もう高速に乗ったから9時半には少し過ぎるかもしれんがじきに着きますよ」と相変わらずの強気ぶりは健在。でも、勝負師はこうでないと。簡単にあきらめては、勝てるものも勝てない。
「ぼくは時間にルーズなのは嫌いだ。だからもっと早く出ようと言っていたんだ」と先ほどは助手席でぐっすりお休みだったお方が怒り出した。チームワークは大丈夫か?塩見は「結構レベル高いから、高須クラブAはC級に出たほうがいい」と何度も力説。
国道431号線を行くとお菓子の城=壽城を通過、9号線を横切ると巨大なイオン・ショッピングセンターが」出現。塩見が一つ一つ案内してくれた。「あれがぼくの中学の母校」「ぼくの家はあのあたり」
9時40分頃、「まだか」と再び電話。「もうすぐです」と蕎麦屋の出前のような返事。
結局着いたのは9時50分。ぎりぎりだった。写真は、会場となった新日本海新聞西部本社ビル。

車を降りるや、3階に駆け上がる。階段から見えるのは大山の雄姿。中国地方最高峰の「伯耆富士」だ。
ロビーで前泊の柿本・貫島と合流。チームの登録は済んでいた。高須Aも選手の『打順』を登録して会場の「日本海ふれあいホール」に入った。大勢の参加者でごったがえしていた。報道によれば、この日の参加者は194人。なかなかの規模の大会だ。
会場に、元高須クラブ会員で鳥取に転勤した松本氏が来ていて、久しぶりの再会を喜んだ。
写真は開会式の様子。貫島・塩見・柿本の高須クラブ@チームが座る席の手前の女子中学生は里見咲紀さん(中三里見香奈女流三冠の妹)だ。団体戦B級に出場するようだ。この日、この里見さんをはじめ、小中学生からハイヒールの女性まで、若い女性の参加者があちこちに目立った。さすがだ。
写真は、予選第一試合で、対局開始を待つ高須クラブAチーム。相手は「師範代チーム」。結果は(×○×)で悔しいスタートになった。
続く予選第二試合は高須@が三タテを食らった「竜棋会A」戦だったが、(×××)でやはり三タテ。第三試合の「竜棋会B」戦は(×○×)で、結局チームとしては1勝もできず、予選落ちが決定。10チーム中9位となった。

後でわかったことだが、高須Aの副将の成績が、高須@の決勝トーナメント進出に微妙?決定的?影響していることがわかった。高須@と同率で4位になった「師範代チーム」「竜棋会B」の2チームはいずれも高須Aとあたり、いずれもチームとしては高須Aが敗れたが、高須Aの副将は勝っている。それが、高須@がこの2チームと同率で4位に入ることにつながったというのだ。高須Aの副将がいずれか一つでも負けていれば、その相手チームが副将の勝ち数の関係で単独4位に浮上、高須クラブ@の決勝トーナメント進出はならなかったのだ。高須の面々は成績表を見ながら驚いた表情で語り合った。
高須クラブ@チーム、予選第一試合は「竜棋会A」戦。結果は(×××)全員負けるという不本意なスタートとなった。
第二試合は「竜棋会B」戦。(○×○)でまず一勝。第三試合、「ルパン2nd」戦は(○○○)で2勝目。「高須@」「竜棋会B」「師範代チーム」の3チームがチームの勝ち数・個人の勝ち数・大将の勝ち数・副将の勝ち数で完全に並び、同率4位として決勝トーナメントに進出を果たした。
因みに昼食は握り鮨で、海の幸争奪大会にふさわしかった。

高須@、決勝トーナメント一回戦。大阪の「正棋会有志」と対戦したが、(××○)で敗れた。この後「正棋会有志」は準決勝で「王将クラブ」を、決勝で「竜棋会A」を破り優勝した。二位は「竜棋会A」、三位は「師範代チーム」「王将クラブ」だった。 。
会場の全部には、商品の海の幸(松葉ガニ、カレイ、エビ、イカ、…)がうず高く積まれていた。この日の参加賞はイカ2杯だった。イカ2本の入った袋をぶら下げて会場を歩いていたら「いかにも本戦で負けましたと言わんばかりの姿だからそれを持って歩き回らない方がいい」と忠告を受けた。
4時過ぎ、会場を後にして帰路につく。帰りなのに「ユキ注意」と電光掲示板。冬景色が戻ってきた。悪路を警戒し、国道183号に出ることはやめて、高速だけで行くことにする。写真は大佐SAで給油・休憩の後、再び“山口号”に乗り込もうとしている高須クラブの面々。
帰りの車の中で、惨敗に終わった高須Aについて、A級に出るべきではなかったのではないかという話が再燃していた。厳しい結果だったためか、「高須クラブのページには個人成績は載せてはいかん」と強く要請された。物理的な力が働いたわけではなかったが、気分的にはこの絵のような強い圧力を感じたので、一応個人成績はこのページに直接には表現していない。

500q近い長い道のりの運転、おつかれさまでした。
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