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8月24日 例会


朝からずっと雨が降り、誰でも出かけるのがおっくうになる悪天候にもかかわらず、特によびかけた訳でもないのに、19人が参集。熱闘の甲子園も顔負けの熱戦を朝から夜遅くまで繰りひろげたのだった。


雨の高須道場

もう10時になろうかという時刻なのに、容赦なく雨雫を振らしている雨雲は、手が届くかと思うほど低く垂れこめて、あたりは早朝のように薄暗く、その中で高須道場の玄関の灯りが一際明るく輝いていた。来る日も来る日も続いたあの焼け付くような猛暑の日々は、まるで嘘だったかのようである。
玄関のガラス戸を開けると、ピシリと高い駒音。やってるやってる。子供たちの歓声も聞こえてきた。
充実の子供教室

道場に入ると、なごやかな中にもピンと張り詰めた空気。谷野の指導の下、充実したこども教室が、今たけなわであった。
朝9時から10時半まで子供教室は雨などものともせず13人が参加、父兄の応援もあり皆元気に将棋を楽しんだ。この日、加入希望の母子も来られ、又一人仲間が増えた。いつのまにか18人の大所帯?になり、今のところ昇級も順調、楽しみながら強くなるのーー
高須クラブの伝統は子供教室にも受け継がれているようであると、谷野代表、満足。「強く、逞しく道徳心と才覚のある子供に成長させたい」とは谷野席主のモットー。谷野流連絡ノートも最近一人も忘れなくなったとご満悦の谷野代表。
子供教室新入会員

別室では、この日新入会の子供さんが、親御さんの援助を受けながらプロ棋士の実戦譜を並べていた。
谷野が「棋譜の符号は大丈夫ですか」と聞かれたお母さんから「はい、もう大丈夫です」と確かな答えが帰ってきた。
写真が出てきた

部屋の真ん中に雑然と置かれた資料の中から、藤里が写真の塊を見つけた。写真を広げて
「これは誰?」
藤里が尋ねる、谷野が説明するという展開が続いた。
周りは手に汗握る厳しい勝負が展開されている世界だが、それから隔離された、古い写真を見ながらのんびりと思い出に浸る小空間ができた。周囲は、それを無視するかのように盤上の勝負に没頭していた。
上原、貫島登場

昼を過ぎた頃、上原がはるばる県北から「ご出勤」、盤の前に座って食事を始めた。しばらくすると貫島も現れ、上原の前の席に座った。手には立派な製本の若島氏の詰将棋集。
「これが解けない」と早速盤に並べた。
「初手が・・・」「う~ん・・・」
初手は意外な地点への銀打ちのようだが、確かに難問だ。
激戦

藤本に河口が挑戦。これくらいに集中して戦うと一局ごとに強くなるのが傍目にもわかる。
敢然と挑戦

午後1時半過ぎ、石井名人が登場すると、高須杯(1日戦)でこのところ3回連続で準優勝の宮瀬賢伸が果敢に挑戦(2枚落ち?)した。毎回、積極的に対局する態度は立派である。
向こうで対局しているのは西尾と結田。
名人が率先、意欲的な対局姿勢

意欲的に相手を見つけて対局するという点では、石井名人がその筆頭である。賢伸戦を終えるとすぐ、岩井戦(4枚落ち)を始めた。
好敵手

ほとんど級位者のこども教室メンバーだが、その中でも上位の藤本・賢伸の二人、好敵手として激突した。
小林に挑む

賢伸、今度は小林に挑んだ(二枚落ち?)。攻めた反動で左辺を荒らされて、体も左に傾いている。
好敵手

西尾・河口戦。これも本格的な駒組となった。がっぷり四つだ。
村田登場

村田も登場、早速名人戦として石井名人に挑んだ。
その奥は、貫島・上原戦だが、両者白い歯を見せて、対局内容にとても満足した様子が伝わってくる。観戦の小林も微笑んでいる。
対局風景は最高潮

午後も3時を回り、高須道場の対局風景は最高潮となった。
手前は賢伸・野島戦。賢伸、1日戦で順調に勝ち星を重ねて今日こそは優勝を狙う。
その向こうは、越智・村上戦(1日戦)。村上は久しぶりの登場だが、この日、正式に高須クラブに入会した。
A級だろ?

1日戦、賢伸は藤里に挑戦した。写真は対局開始前のもの。手合いをめぐって軽く言い争いになった。
大駒落ちを主張する賢伸に、藤里が「君はA級だろ?大駒落ちはないだろ?」と平手を所望。「そうだよねぇ」と周囲に同意を求める藤里。
賢伸、「いえ、あの・・・A級に上がったのはタマタマで・・・僕は2級ですから・・・」と汗だくになって説明するが・・・。
1日戦大詰め

1日戦で賢伸は過去最高の8勝を挙げて、16時50分現在、暫定1位。石井はこの時点でまだ7勝2敗なのだ。石井・谷野戦が戦われているのを少し不安な気持ちで見る賢伸が写真の左端に写っている。
この将棋、石井が勝っても8勝であり、自分の方が対局数で上位なのを確認して、賢伸は道場を後にしたのだった。周囲の予想にたがわず、16時55分、石井名人が勝利した。
1日戦の優勝の行方は

谷野戦に勝った石井名人はすぐに、上原との1日戦を開始した。このとき締切の5時まで5分残っていたのだ。この将棋、派手な激戦の末、石井名人が勝った。石井は9勝3敗となって、1日戦逆転優勝となった。賢伸は惜しくも4回連続での準優勝となったが、優勝に今回ほど接近したことはなく、ようやく優勝の手応えをつかめたようだ。次の試合での捲土重来を期待しよう。
夕方も最高潮再び

5時頃、優勝を決める石井・上原戦のとなりでは、貫島・小林戦が行われていた。その向こうは野島・越智戦。さらに村田・熊谷戦。
アマ名人戦山口県代表登場

8時前になった。1日中激戦が戦われた道場の空気はさすがにややお疲れモードとなったが、眼光鋭く戦っているのはアマ名人戦山口県代表となった熊谷と貫島との一戦。この日、熊谷が勝って勢いと存在感を示した。
詰将棋の研究

時刻は9時半を回った。貫島と上原が向かい合って研究を進めている。詰将棋のようだが、まるで真剣勝負をしているかのように正座し、背筋も伸ばして。
夜が更けても戦いは続く

目を北側の部屋に転ずれば、そこに真剣な眼差しの二人が対局している姿があった。熊谷・越智戦である。写真からは盤面の駒までは識別できないが、矢倉模様の本格的な戦いの序盤の駒組みが頂点を迎えようとしているように見える。


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