9月8日の例会
9月8日の例会には16人が参加しました。
午前10時41分頃のこと、子供教室たけなわの頃でした。突然、ガタガタと谷野道場は揺れ始めました。ついに“斜陽”の時が来たのか、高須クラブも土台から揺れるようになってしまったのかと、思ったのは早合点。揺れたのは谷野道場だけではなく、あたり一面が震度3の揺れだったのです。伊予灘を震源とするマグニチュード4.4の地震でした。


この日、新入会員がお目見えしました。この写真の左、藤原君(中2)と、次の写真左の古田君(中2)の二人です。二人共学院の将棋部所属で、「谷川先輩の紹介で来ました《と。右は、ちょっと斜に座った中野君ですが、藤原君の棋力のほどを確かめようと対局しているところです。というのも藤原君が谷野、坂本と連破してしまったので、吊人戦でA級付出しになったりしてはいけない、自分が頑張らねばと使命感に燃えて対局に臨んだからです。
話は2時間ほど遡りますが、最初に顔を見せたのは藤原君、新入会希望と聞いて喜んだ谷野席主が早速棋力の程を確かめようと対局を始めたのでした。10時を大きく回った頃、玄関のところに誰か居るよということで、招き入れたらこれが古田君でした。古田くんは1時間ほど待っていたとのこと。何でも、藤原くんと待ち合わせていたということで、藤原君がサッサと中に入ってしまったのに対し、古田君はいつまでも藤原君を“忠犬ハチ公”のように待ち続けたということだったのです。「古田君、ごめん《と何度も謝った藤原君。
古田君も、谷野席主の“棋力診断”を受けました。しかし、藤原君も古田君も谷野席主に快勝したのです。
藤原戦終了後「いやぁ、手を抜いたもんだからね《
古田戦にも敗れて「うん、手を抜いたから《「初めて来てくれた人だからサービスしないといけんでしょう・・・次はもういきたくないと言われちゃいけんですからね・・・《
そんなに何本も手を抜いて・・・手が何本ありましたかね?そんなに手を抜いて大丈夫?まるで腕を次々に外して分解掃除する千手観音像みたい。
千手観音の千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする、観音の慈悲と力の広大さを表しているのだそうです。もしかして、谷野さんに、新しい会員に慈悲を与えようとする気持ちが本当にあって、千本も手があったのなら、一本や二本抜いてもどうってことないからと、次から次に手を抜きまくることも可能でしたでしょう。それは、千手観音の慈悲の心にピッタリ。2012年9月8日のあの地震は“谷野千手観音”誕生の歴史的な瞬間を示したのかも知れません。
お昼が近づきました。弁当の注文です。「ほら、将棋の谷野ですよ《と将棋を懸命に強調。千手観音の慈悲の心を発揮、少しでもわかりやすくしようと。しかし、電話の向こうでは「将棋《と言われて、「え?ショーギ・・・ですか?《キョトンとしている様子。「将棋《の登場は弁当のお届け先をわかりやすくするのにはあまり役立たなかったようでした。かえって混乱?弁当を配達してくれる方も、目印に玄関のところに巨大な置き駒でも据え付けられているならともかく、部屋の中でやっている将棋を意識したことはなかったかも知れません。
このたび、奨励会に見事合格した小林君が、結田君を6枚落ちで指導。奨励会の先輩、矢野君がどれどれと盤側に座ろうとしています。写真、手前は、吊人戦B級の熱戦です。優勝と昇級を争っている中野君と谷野席主の対決です。先程までの“手を抜き”まくる谷野千手観音でしたが、一転、手を抜くどころか、その何本もある手で中野君を叩いたのです。5勝目を挙げて、4勝している中野君に1勝の差で暫定1位を維持しました。念願の昇級が見えてきた谷野さんですが「谷野さんはコスイ。その勝ち星には子供教室の3人に平手で負かした3勝が含まれてのこと。《との声も聞かれました。
昨年10月から大筋今のようなやり方になった吊人戦ですが、その最初の期ではB級で谷野さんが9勝3敗で優勝しました。早速改善が行われ、次の期からは成績によりB級とA級の入れ替えを1吊行うことになりました。谷野さんにとっては何故自分が優勝した時には昇降級制度がなく、自分が優勝しなかった期から昇降級制度が始まったのか、何か自分を昇級させまいとする邪悪な陰謀でもあるのかと、千手観音の慈悲の心には似つかわしくない恨みがましいことも口にしていました。それほど思いの強かった昇級が、目前に見え隠れするようになってきたのです。同様に、今年はあと一歩のところで昇級を逃がすということを繰り返してきた中野君、黒原・津賀・吉田と優勝候補を撃破しての4勝で、今期にかける思いには特別なものがあります。今期はあと1回の例会を残すのみ。さて、決着は?
1時過ぎ、待望の弁当到着。しかしここでアクシデント発生。代金を払う段になって、レシートを忘れたことに気づき、弁当屋さんが取りに帰る事態となりました。電話口で届け先を説明するのにやたら将棋を強調し混乱したため?
写真は玄関のところに置かれた弁当と、配達の人がいったん帰っている間に代金お金の計算を済ませておこうとする面々。
代金の支払いを終えて、さぁ昼食。谷野さんが力任せに弁当を包むポリ袋・・・いつも固く結ばれている・・・を引きちぎろうとするも破れず、中野君が「そんなやり方じゃだめですよ《と選手交代しました。
結田君、ハンバーグ弁当が現れるのをかたずを飲んで神妙に待っていました。
いっせいに食べ始めようとしたとき、カレーライスを手にした谷野さんが「結田君、これと取り替えよう《と交換の提案。結田君とまどいながらも「嫌!《と。それでもなお「なんで嫌なん?取り替えようよ!なんで嫌なんかなぁ?《と頑張る谷野さん。そこにポテトバスケットを手にした藤原くん「谷野さん、ダメですよ。僕のと交換しますか?《と。谷野さん「君は何だ?《とポテトバスケットを覗き込み「あぁそれか、それとの交換は嫌だな《と。藤原君すかさず「でしょ? それと同じことですよ《と。谷野さん「あぁ!よくわかりました。身にしみてよくわかりました《と。
このやりとりを見ていて、もう古い話ですが、加藤一二三九段の癖直しのエピソードを思い出しました。相手が席を外すと、その席に座って考え込む悪い癖のある加藤九段。棋士仲間ではなんとかならないか悩みの種。加藤九段と対局した米長邦雄九段(現連盟会長)は自席に戻ろうとして、加藤が自分の席に腰を下ろしてすっかり考え込んでいるのを見るや、加藤の席の方に座りました。しばらくして、米長の存在に気づいた加藤、慌てて自分の席に戻ろうにも、米長が座っていて戻れません。加藤さん、身にしみてわかったようで、以後は相手の席に座ることはなくなったとか。それにしても、この藤原君、なかなかできる子だね。将来有望です。
午後になると柿本さんが登場。早速新入会員が胸を借りました。藤原くんが指しています。傍らで立っているのは、顔が切れてますが古田君です。この日も、柿本さんの丁寧で的確な指摘が際立っていました。
向こうの部屋では久しぶりに槙林君が来ています。つい半年前、六枚落ちで指していたのが嘘のように、しっかりした駒組を進めています。中野君に“順当に”敗れはしましたが、棋力の上昇は顕著です。
奨励会で修行を続けている矢野君と柿本さんの久しぶりの手合わせ。吊人戦です。写真は先手となった矢野君が第一手目、7六?と指すところ。将棋は柿本さんが“一日の長”を見せて勝ちました。
写真手前は結田君。こども教室が終わった後も、会場に残って将棋の勉強を続け、1日決着の王将戦にも参加しました。
迫田さん、奨励会入りした小林君に、積極的に挑戦しました。吊人戦です。
午後4時を回ると、熊谷さんが顔を見せました。奨励会入りした小林君と早速手合わせです。
この頃、柿本さんはいよいよその存在感を強めました。写真は、山口・槙林戦(山口勝ち)の終局後、二人の感想戦を聞いていた柿本さんが、家ではヤマグチではなくムダグチと言われているという山口さんが槙林君に教えた結論とは違う見解を示そうとしたところ。一局の将棋の大きな流れを確認しつつ各時点での考え方のポイントが示されました。「う~ん、そうか《、柿本さんが解説を始めると、自然に周りに人が集まってきています。
5時半を回りました。越智さんも顔を出しました。早速小林君と手合わせ。奥では矢野君と熊谷さんが対局しています。それを柿本さんが見守っています。
夕方になって石井君が登場しました。今日は学校の行事で遅くなったようです。早速柿本さんに挑戦です。
柿本・石井戦の手前は、谷野・槙林戦です。
もう時計は7時を回りました。外は夕闇が包んでいます。しかし、道場内はますます明るく輝き、熱気もはらみ、各自の頭はますます冴え渡ってきたようです。
もう10時も近いというのに、まだ続いています。本当に熱心な人たちです。夕方一旦退席の山口さん、翌日の幹事会の議題を整理して谷野さんに会うために道場に再び顔を出したところです。
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